学際大規模計算機システム - 北海道大学ハイパフォーマンスインタークラウド - 北海道大学情報基盤センター

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HOKKAIDO UNIVERSITY HIGH PERFORMANCE INTERCLOUD
学際大規模計算機システム
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学際大規模計算機システム

学際大規模計算機システム

 スーパーコンピュータ
 インタークラウド 
 大判プリンタ

■学際大規模計算機システム(システム全体)の概要
【概要】

北海道大学情報基盤センターは、スーパーコンピュータシステムとクラウドシステムから構成される「学際大規模計算機システム」を更新し、2018年12月に新システムによるサービスを開始しました。新システムで、システム全体としての総合演算性能を旧システムの20倍以上となる4ペタフロップスと飛躍的に向上させるとともに、 北海道から九州に至る全国規模の広域分散クラウドシステムを含む先進的なシステム環境「北海道大学ハイパフォーマンスインタークラウド」を実現し、北海道大学及び全国の研究者を支援します。

システム構成図

【システムの詳細】

新たに更新されるスーパーコンピュータシステムは、旧システムの20倍以上の理論演算性能を有し、最新のマルチコアプロセッサとメニーコアプロセッサを備えた超並列型の計算機システムです。本システムは、高性能なコンパイラ、通信ライブラリを有し、計算科学を中心とした多様なアプリケーションの高度化に寄与します。

さらに、旧クラウドシステム「北海道大学アカデミッククラウド」を発展させ、北海道大学内にGPU*2を含む高性能なサーバ*3を設置するとともに、関東、関西、九州の遠隔サイトにサーバを設置し、超高速学術情報ネットワークSINET5*4(サイネットファイブ)により相互接続することで、北海道から九州に至る全国規模の広域分散クラウドシステム(インタークラウドシステム)を実現します。これにより、SINET5 を活用したネットワークの研究や、IoT*5など広域分散システムの実現に向けた研究を支援します。

また、北海道内の遠隔サイト(北見工業大学)にデータのバックアップ基盤を整備することで、災害時にも研究データ等を安全に保管するストレージ基盤を実現します。本システムは、北海道大学における計算科学、計算機科学関連の研究開発に活用されるとともに、革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ(HPCI)*6、学際大規模情報基盤共同利用・共同研究拠点(JHPCN)*7の公募型共同研究へ資源を提供し、大学など学術関係の研究者に加えて、企業など民間を含む全国の研究者を支援します。さらに計算科学、計算機科学に関わる教育や人材育成にも活用し、各分野の発展への貢献が期待されます。本システムの導入により、北海道大学情報基盤センターは、なお一層の社会貢献に寄与してまいります。

【用語解説】

*1 ペタフロップス: コンピュータの処理性能を測る単位で、1秒間に10の15乗(1,000,000,000,000,000)回の計算ができる能力を表す。

*2 GPU: Graphic Processing Unit の略。グラフィック処理のための専用の計算処理装置として開発され、現在は大規模計算処理や、人工知能関連の計算処理にも活用されている。

*3 サーバ: サービスを提供するためのコンピュータ。クラウドシステムにおいては、研究用のシステム環境を利用者が自由に構築することができる。

*4 SINET5: SINET は Science Information NETwork の略。日本全国の大学、研究機関などの学術情報基盤として、国立情報学研究所(NII)が構築、運用している情報通信ネットワーク。

*5 IoT(Internet of Things): 「モノのインターネット」と呼ばれ、様々な「モノ」がインターネットに接続され、情報を交換する仕組みのこと。具体的には、様々な場所に設置された大量のセンサーやデバイスから集められた情報を処理するシステムなどが考えられる。

*6 HPCI(High Performance Computing Infrastructure): 理化学研究所計算科学研究センターの「京」コンピュータと全国の大学・研究機関に設置されたスーパーコンピュータやストレージを高速ネットワーク(SINET5)で結び、多様なユーザニーズに応える革新的な教養計算環境基盤(http://www.hpci-office.jp)。

*7 JHPCN (Joint Usage/Research Center for Interdisciplinary Large-scale Information
Infrastructures): 北海道大学、東北大学、東京大学、東京工業大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、九州大学のスーパーコンピュータを持つ8つの施設を構成拠点とし、東京大学情報基盤センターがその中核拠点として機能する「ネットワーク型」共同利用・共同研究拠点。大学の研究施設を全国の研究者の利用に供する拠点として、文部科学大臣の認定を受けている(https://jhpcn-kyoten.itc.u-tokyo.ac.jp/ja/)。

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