北方文化論講座の歩み ※2007年4月現在
北方文化論講座は文学部改組に伴い、1995年に文学部に新たに設立された。その前身は1966年に設置された北方文化研究施設である。発足当時は考古学部門のみであったが、1973年に文化人類学部門が加わった。歴代教官として、考古学部門には大場利夫(1966〜76)、大井晴男(1966〜95)、林謙作(1976〜95)、文化人類学部門には岡田宏明(1974〜79、2004年歿)、黒田信一郎(1975〜91年歿)、渡辺仁(1980〜83、故人)、煎本孝(1985〜95、現文学部教授)らがいる。助手には考古学部門に重松和男(現南山大学助教授)、菊池俊彦(文学部教授を2006年で定年、現北海道大学名誉教授)、木村尚俊(故人)、天野哲也(現北大総合博物館教授)、文化人類学部門に井上紘一(中部大学を経て北大スラブ研究センター教授を2004年退官、現関西外国語大学教授)、北構太郎(現札幌大学教授)、池谷和信(現国立民族学博物館教授)らがいた。30年に及ぶ本研究施設の研究成果の一部は、『北方文化研究』(全22号)のかたちで逐次公刊された。
新たに設立された北方文化論講座は北方地域(ユーラシア・日本・北アメリカ)の考古学・文化人類学・民族言語学の研究を推進するという目的のもとに、研究と教育を担当することになった。考古学は大井晴男(〜1997)、林謙作(〜2001)が引き続き担当していたが、それぞれの定年退官を受けて、現在は小杉康(1997〜)、加藤博文(2001〜)が日本列島及びその周辺・北方地域をフィールドとする先史考古学・歴史考古学・民族誌考古学の分野を担当している。文化人類学分野は、急激に変化する北方地域における民族問題や環境問題をはじめとする文化と自然の動態に関する実証的かつ総合的研究を推進・展開すべく、煎本孝が文化人類学・生態人類学・自然誌を担当している。また菅豊(1996〜99、現東京大学助教授)が文化人類学を担当していたが、その転出後は佐々木亨(2000〜)が文化人類学・博物館学を担当している。講座開設後に新設された民族言語学分野は、津曲敏郎(1998〜)が北方諸言語に関する記述的・類型的研究をもとに民族言語学を担当している。また、助手の天野哲也は1999年に開設された北大総合博物館に助教授として転出した(現教授)。
北方文化論講座はわが国では他に類を見ない、北方地域に関する人文社会科学系の総合的な研究教育を担うものとして特徴づけられる。講座としての歴史はまだ浅いが、卒業生・修了生の中から、教育研究機関をはじめ、専門的職業に就く者も現われている。