村田 勝幸 MURATA, Katsuyuki

研究室:古河記念講堂204号 TEL:(011)706-4193 Mail:kmurata(AT)let.hokudai.ac.jp

専門分野:アメリカ(史)研究


研究課題

アメリカ移民史、人種・エスニック関係、ラティーノ/チカーノ研究、
西インド諸島系研究、都市研究

略歴

【学歴(学位)】
学術博士(東京大学、2003年9月)
東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程単位取得退学
(2000年8月31日)

【職歴】
北海道大学大学院文学研究科・准教授(2007年4月1日より)
コロンビア大学エスニシティ・人種研究センター・客員研究員(2004年3月〜2005年3月)
北海道大学大学院文学研究科・助教授(2000年9月1日より)


所属学会

日本アメリカ学会、日本アメリカ史学会、American Studies Association

業績

【単著】

『<アメリカ人>の境界とラティーノ・エスニシティ―「非合法移民問題」の社会文化史』
(東京大学出版会、2007年6月15日)


【共編著】

「『二重の不可視性』を生きる西インド諸島系移民―人種の政治とアムネスティ法案」
樋口映見・中條献編『歴史のなかの「アメリカ」―国民化をめぐる語りと創造』(彩流社、2006年2月28日)、325‐48頁

「<帝国>状況を/から透かしてみる―取り締まられるアメリカ都市空間、『ホームランド・セキュリティ』、人種」 山下範久編『帝国論』(講談社メチエ、2006年1月10日)、15‐42頁

「引き直された境界線  ―チカノ運動、セサール・チャベス、非合法移民」油井大三郎・遠藤泰生編『浸透するアメリカ/拒まれるアメリカ』(東京大学出版会、2003年7月29日)108‐29頁


【論文】

「<人種の調停者>の憂鬱―ディヴィッド・ディンキンズとクラウン・ハイツ暴動」『アメリカ史研究』第32号(日本アメリカ史学会、2009年7月31日)

「『反米』として読まれる『非米』―二十一世紀アメリカにおける移民法改編論議と『不法移民のテロリズム的局面』」 「グローバル化時代における『アメリカ化』と『反米主義』の国際比較研究」(科学研究費補助金・基盤研究A、研究代表者・古矢旬)
(2007年5月)、25‐28頁

"Searching for a Framework for a Synthetic Understanding of Post-1965 Immigration from the Western Hemisphere," Transforming Anthropology 14,no.1(April 2006):95-101

「差異が切り結ぶ『黒いわれわれ』―アメリカン・ディアスポラの理論的射程」
『アメリカ史研究』第28号(日本アメリカ史学会、2005年8月8日)、58‐75頁

「アムネスティ法案が束ねる<黒人>―西インド諸島系移民と『二重の不可視性』」
「アメリカにおける国民意識の歴史的考察」(科学研究費補助金・基盤研究B、
代表者・樋口映見)(2005年3月)、181-98頁

「『人種化されたネイティヴィズム』の史的背景  ―19世紀末から20世紀初頭のアメリカにおける移民・人種・同化」『思想』第962号(2004年6月)、109-31頁。

"Searching for a Framework for a Synthetic Understanding of Post-1965 Immigration from the Western Hemisphere," Interrogating Race and National Consciousness in the Diaspora: Proceedings (University of North Carolina, Chapel Hill, 2004), 46-57

"Historicizing and Spatializing Ethno-racial Relations in Urban America: A Comment on William Julius Wilson, 'The Roots of Racial Tension: Urban Ethnic Neighborhoodユ,' Proceedings of the Kyoto American Studies Summer Seminar, July 25 - July 27, 2002 (Center for American Studies, Ritsumeikan University, 2003): 23-29.

"The (Re)shaping of Latino/Chicano Ethnicity through the Inclusion/Exclusion of Undocumented Immigrants: The Case of LULAC's Ethno-politics," American Studies International 39: 2 (George Washington University:: June 2001) : 4-33.

「コミュニティとイデオロギーの狭間で  ―非合法移民擁護のためのメヒカノ組織CASAの挑戦と挫折」『アメリカ史研究』第23号(アメリカ史研究会、2000年8月)、61-76頁

"Re-examining the Literature on Race, Ethnicity, Nativism, and Citizenship: A Theoretical Prelude to Studies on Undocumented Immigrant History," 『東京大学アメリカン・スタディーズ』vol. 5(東京大学アメリカ研究資料センター、2000年3月)、179-201頁

「1986年移民法(IRCA)審議過程における『非合法移民問題』の形成と展開」『アメリカ研究』第32号(日本アメリカ学会、1998年3月)、111-26頁

「1970・80年代のロサンゼルス衣服産業の構造と非合法移民労働者の役割  ―『スウェットショップ』をめぐる議論をてがかりに」『移民研究年報』第3号(日本移民学会、1997年3月)、141-63頁

「グローバリゼーションのなかの米国衣服産業  ―アジアNIEsとマキラドーラの役割を比較して」『土地制度史學』第153号(土地制度史學会、1996年10月)、17-31頁


【辞典項目その他】

「法のボーダーランド」[Mary L. Dudziak and Leti. Volpp, eds. Legal Borderlands: Law and the Construction of American Borders(Johns Hopskins University Press, 2006)に関する書評] 『アメリカ法』2007-2(日米法学会、2008年3月31日)、254-59頁

「マキラドーラ」 矢口祐人・吉原真理編『現代アメリカのキーワード』(中公新書、2006年8月25日)、194-96頁

「映画『リチャード・ニクソン暗殺を企てた男』紹介文」
『北海道新聞』(2005年6月21日夕刊)

「ヒスパニック系」小田隆裕・柏木博・巽孝之他編『事典現代のアメリカ』(大修館書店、2004年10月1日)、529-36頁


【翻訳】

ロビン・D・G・ケリー『ゲットーを捏造する―アメリカにおける都市危機の表象』
村田勝幸・阿部小涼訳(彩流社、2007年4月28日)

ジョージ・サンチェス「ネイションの相貌 人種、移民、20世紀アメリカにおけるネイティヴィズムの台頭」『思想』第931号(2001年2月)、32-58頁


【口述発表】

「ラティーノ・アメリカン/アメリカン・ラティーノ ―「不法移民問題」にみるイメージと実態」同志社大学第35回外国文化週間・招待講演(2008年11月7日、同志社大学)

「土屋和代氏報告『ジョンソン政権下の「貧困との闘い」における住民参加をめぐる政治―人種、」ジェンダー、市民権』に対するコメント」 日本アメリカ史学会第10回例会「福祉国家再考―市民権のジェンダー化・人種化を中心に」(2007年7月7日、明治大学)

交差路のラティーノ(史)研究―移り変わるフレームワーク、合流するパースペクティヴ」第40回日本アメリカ学会年次大会・部会B「ラティーノ研究と『境界』」(2006年6月11日、
南山大学)

「人種主義と対峙するアメリカン・ディアスポラ ―ハワード・ビーチ事件にみる人種連帯のかたち」第2回日本アメリカ史学会年次大会シンポジウム「アトランティック・ヒストリー」
(2005年9月17日、関西学院大学)

"Searching for a Framework for a Synthetic Understanding of Post-1965 Immigration from the Western Hemisphere," International Conference Held at University of North Carolina at Chapel Hill, "Interrogating Race and National Consciousness in the Diaspora," 17 September 2003.

「ポスト・チカノ運動期のラティノ/チカノ(史)研究―移民史研究とエスニック・スタディーズの交錯」第37回日本アメリカ学会年次大会「移民・エスニシティ分科会」
(2003年6月1日、神戸大学)

"Historicizing and Spatializing Ethno-racial Relations in Urban America: A Comment on William Julius Wilson, 'The Roots of Racial Tension: Urban Ethnic Neighborhood',"
第7回京都アメリカ研究夏季セミナー(2002年7月26日、立命館大学)

「『人種』・ネイティヴィズム・『ニューレフト』 20-21世紀転換期アメリカ社会をとりまく問題系をめぐる一考察」、北海道アメリカ研究会例会(2002年2月9日、北海道大学)

「『アメリカ人』の境界、ディシプリンの境界 移民排斥主義の史的系譜に関する一考察」、北大史学会年次大会・講演(2001年8月2日、北海道大学)

「丸山悦子氏報告『転換期の二言語教育―分裂するヒスパニック系住民の対応と見解』に対するコメント」 アメリカ史研究会第181回例会「言語とアイデンティティ」
(1998年7月18日、青山学院大学)

「1986年移民法審議過程における非合法移民認識」日本アメリカ学会第31回年次大会自由論題報告(1997年6月7日、愛知教育大学)


【受賞歴その他】

2008年日本アメリカ学会清水博賞(『<アメリカ人>の境界とラティーノ・エスニシティ』)





学生のみなさんへ

私はこれでまで20世紀後半のアメリカ移民史および移民排斥史を研究してきましたが、方法論(discipline)という観点からいえば、自らの研究はアメリカン・スタディーズ(American Studies)というフィールドに位置づけられると思います。アメリカン・スタディーズは、もちろん広義には「アメリカについて研究すること」という意味もあります。しかし、ここでは特に、歴史学、人類学、社会学、政治学、文学、批評理論等々の小領域を内側に含み込んだ、「アメリカ」に関する学際的な研究領域・方法論といったものを含意しています。「アメリカ」という対象に密着している以上、この方法論はひじょうに実践的ですし、日常性のレヴェルまで迫りえるものです。

われわれの身の回りにある「アメリカ」のことを考えてみてください。多くの場合、われわれは意識する意識しないにかかわらず、多くの「アメリカ」に接しています。ハリウッド発の映画を例にとってみましょう。2002年末に日本でも公開された、レオナルド・デカプリオ主演の映画『ギャング・オブ・ニューヨーク』はわれわれを19世紀半ばのニューヨークへと誘ってくれます。これをアメリカン・スタディーズ的に分析するならば、無数の問いをたてることが可能です。(ストーリー展開のうえで重要な軸線となっている)ニューヨーク徴兵暴動とはいかなるもので、どのような意味を持っていたのか?あの映画のなかで「人種」や「アメリカ人性」はどう表象されているか?ジェンダーはどうか?階級は?映画の末尾に現代のマンハッタンの映像(:しかもWTCがそびえ立っている!)を織り込むことにどんなメッセージがあり、それがどう消費されるのか?等々。

講義や演習では、できるだけみなさんの身の回りにある「アメリカ」と関連づけられるようにと意識しているつもりです。また、直接「アメリカ」とは関係なくても、みなさんの視野を広げ、思考の強度と柔軟性を養うと思われる素材も積極的に扱っています。好奇心豊かで積極的な学生のみなさんをお待ちしています。

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